オゾン発生器はオゾンを放出する機器である。

オゾン発生器以外にもオゾン脱臭機や単に脱臭機と呼ばれたり、大型のものはオゾン発生装置と呼ばれたり、ときに消臭器という言葉が使われているときもある。いずれにしてもオゾンを利用して脱臭を行う機器はすべて「オゾン発生器」である。

生物による脱臭では生物脱臭法を紹介したが、脱臭技術は他にも実にさまざまな技術・方法がある。しかしながら、なかでも生物脱臭法とオゾン脱臭法については、効率性や安全性、効果等を考慮した場合、これから先も利用しつづけられることだろう。ここでは、生物脱臭法と同等に優れたオゾン脱臭法を利用する際に必要となるオゾン発生器について紹介する。

オゾン発生器の導入時に留意すべき点

専門業者あるいは研究者らが業務用のオゾン発生器を導入する際、次のことに留意すべきである。

オゾン発生量

オゾン発生器におけるオゾン発生量とは主に「◯◯◯◯mg/hr」あるいは「◯◯g/hr」などと表される。つまり1時間あたりどの程度のオゾン量は生成できるかという意味である。
大規模な研究施設等でない限り、フルオーダーによる大型のオゾン発生装置導入ではなく、セミーオーダーあるいは市販品の導入を検討しているケースが多いと思われる。
脱臭作業の内容や研究の内容を考慮し、必要なオゾン発生量のオゾン発生器を導入してほしい。
念のため書いておくが、オゾン濃度には理論値と実測値があり、理論値だけをみて機器を導入すれば作業あるいは研究の段になって求めているオゾン濃度環境をつくれないことも考えられるため、実測値ベースで考え、オゾン発生量を決定することを強くおすすめする。

風量

オゾン発生器の風量は「1,000L/min」「5,000L/min」などと表記され、この風量は拡散力を表している。
一般的には、風量が多量であればあるほど、拡散力があるとされるが、その分出力も高くなり、消耗品やメンテナンス頻度が多くなるケースも少なくない。
特に拡散力を必要としない場合を除いて、拡散力を無視して製品を選べば、本来の目的を達成できないこともあるので注意が必要である。ただし、拡散力を必要としない場合においては、わざわざ風量が多量なものを選ぶとコストアップにつながることから、風量が多量なファン式ではなく、拡散力が弱いポンプ式の製品を選ぶなどして導入コストを抑えたほうが賢明である。

オゾン水生成機能

オゾンを水に溶存させたものがオゾン水であるが、本来、オゾン水を生成する際に使用する機器はオゾン発生器ではなくオゾン水生成器と呼ばれる機器である。
しかしながら、オゾン発生器の普及が進んだことで、コストがだんだん下がっている近年では、その分品質向上や技術にコストをかけることができているのかオゾン水も生成できるオゾン発生器が増えてきている。
これは消費者側の視点からは大変便利なことだが、オゾン発生器でオゾン水を生成する場合、留意点がある。
それは、オゾン水のオゾン濃度である。
オゾン水の生成に特化したオゾン水生成器は主に電解式が採用され、微細な泡によって溶存効率も高いが、オゾン発生器の場合はバブリング式のため、電解式より生成効率が低下する。
分かりやすくオゾン濃度でいえば、電解式は1〜10ppmのオゾン水を容易に生成できるが、オゾン発生器で生成するオゾン水のオゾン濃度はせいぜい1ppmが限界である。
とはいえ、本来気体のオゾンを空間内に放出するだけのオゾン発生器で、オゾン水も生成できることは利便性が高いといえる。
オゾン水のオゾン濃度について、高濃度である必要があるケース(研究目的等)については役に立たないかもしれないが、そうでない場合は使用範囲が広くなりオゾン発生器の活躍の場は増えるだろう。

機器のサイズ

市販の業務用オゾン発生器は主にハンディタイプ・コンパクトなものが多いため、特にサイズについて慎重になることもないだろう。
しかしながら、大型の装置と呼ぶに相応しい機器の導入をする場合、あらかじめメーカーに仕様書を請求するなどして事前にそのサイズを正確に把握しておくべきである。
また、その際、本体サイズだけではなく、接続に必要なパーツ等についても詳細を確認されることをおすすめする。

消耗品やランニングコスト

オゾン発生器の消耗品は主にオゾンを生成するための放電管である。放電管はオゾンを生成するために必要不可欠なパーツだが、オゾンを生成すればするほどこの放電管が摩耗する等して消耗し、徐々にオゾンの生成効率が低下してくるのが一般的である。
放電管が摩耗すれば機器本来のオゾンを発生しなくなるなどの問題が生じるため、放電管に付着したチリやホコリなどは定期的に拭き取るなどしてメンテナンスをおすすめする。
また、どれだけ頻度を高くしてメンテナンスをしても、数年経過すれば、放電管を新品に交換したほうがいいだろう。
使用頻度にもよるが、数年に一度オゾン発生器内部にある放電管の交換、これが多くのオゾン発生器の消耗品であることから、導入前に、その頻度や放電管交換の費用等についてもあらかじめ確認することをおすすめする。
タイトルには少々癖があるが、これほどまとまっているオゾン発生器の記事はあまり見かけない。
言葉遣いに惑わされず、是非書かれている内容をよく読んでいただきたい。
タメ口でオゾン発生器のことを完璧に説明するやつ

酸素ボンベによる吸入が可能か

酸素ボンベによる吸入が可能か
酸素ボンベによる吸入が可能か

清掃業や宿泊施設業等でもオゾン発生器は多く使われているが、大学の研究室や医療施設等でも利用されている。
清掃業や宿泊施設業においてオゾン発生器を使用する際、酸素ボンベによる吸入をするケースはほぼないと考えられるが、研究等が目的の場合は、より濃度と質が高いオゾンの生成が求められることも少なくないことから、酸素ボンベによる吸入を利用してオゾンを生成する。
原料を酸素だけにすると非常に濃度の高いオゾンを生成することができる。オゾンは酸素原子が3つ結合して生成される。周囲の空気を原料としてオゾンを生成すると、オゾンの原料となる空気中の酸素量は20%程度のため、生成されるオゾンは薄くなるが、原料になる気体を酸素だけにすることで、高濃度のオゾンが生成できる
ただオゾンが生成できれば問題ないというケースを除き、研究用途などで導入をする場合は、この点も考慮して機器を選定したほうがいいだろう。

付属品の確認

オゾンの放出口にチューブを接続するなどして使用する場合は、そのチューブの素材を確認したほうがいいだろう。
また、オゾン水生成が可能な製品はオゾン水生成時に使用するパーツの確認も必要である。
これは細かいことかもしれないが、大学の研究室などでは物をひとつ買うのも申請が必要だったり、法人企業によってはその金額が問題になることもあるだろう。そのため、付属品について消耗や破損、紛失時に再度改めて購入する際、その費用はおおよそどの程度なのかも把握しておくことをおすすめする。